注:この舞台挨拶レポートは、有楽町マリオン9F日劇プラザに於いて、初日3回目の上映となった12時20分からの回の上映前に行われた、3回目の舞台挨拶を書き起こした物です。

[舞台挨拶の写真(遠いね):ProgressiveJPEG:440x240pixels]
              舞台挨拶の様子。小さくてごめんね

司会は日本テレビアナウンサー福澤朗さん。
福澤「今日は僕の個人リサイタルのためにお集まりいただきどうもありがとうございます」
【場内(笑)】

福澤「……(この間、録音無し)……さあ、みなさん、今朝、ズームイン朝でご覧頂けましたか?……(場内騒然として声が聞こえない)……いよいよこれから舞台挨拶をですね、上映に先立ちまして、始めさせて頂きたいと思います。今回兎に角、徹夜組も500人以上、という、邦画史上、まれに見る状態となっております。とんでもないことになっていたんですね。この雨の中またその(※?※)内容も(※?※)という状況となってしまいました。最後までごゆっくりとご観覧戴きたいと思いますが、では早速主役、本日の舞台挨拶の主役をお3方、お招きいたしましょうね。先ずは、アシタカ役の松田洋治さんです、どうぞ」
【拍手】

福澤「そして、もののけ姫、サン役の石田ゆり子さんです」
【拍手】

福澤「さぁそして、白髪の貴公子、この映画で引退なんて言わないで頂きたいと思います、宮崎監督です」
【拍手】

福澤「はい、それではともあれお3方より、簡単に御挨拶を頂戴したいと存じます。では早速、お願いします」

宮崎「どうも。今日は沢山お見えに頂きまして、ありがとうございます。あのー、スタッフ……正確な数は良く判らないんです…250名とか300名とかいうんですけども…を代表しまして、この映画が、みなさんの期待に応える事が出来たら幸せだと思います。本当に今日はありがとうございます」
【拍手】

福澤「続いて、松田洋治さん、お願いします」

松田「今日はありがとうございます。素晴らしい作品に出会えて、そして、こんなに沢山のお客さんと、こうして初日に会う事も出来て、本当に幸せに思っています。ゆっくり楽しんで見て下さい。どうもありがとう」
【拍手】

福澤「そして、石田ゆり子さんです」

石田「みなさん、今日はありがとうございます。みなさんはこれから映画を観られる……んですよね?」

福澤「そうです、はい」

石田「……なので、あのー、内容には触れない様にしようと思っておりますので、言う事が無くなってしまいました。とても素敵な作品ですので、ごゆっくり楽しんでいって下さい」
【拍手】

福澤「じゃ石田さん、そのまま。ここで質問をですね、お伺いしたいと思うんですが、宮崎監督と仕事をご一緒して、率直な所、どういった監督さんなんでいらっしゃいますか?」

石田「はい。とても温かく優しく繊細な、しかし大変厳しい方、ですね、はい」

福澤「ま、随分とこの、声の出演と言う事で、アフレコも駄目出し…というんですか…NGも多かったのではないかと思われますけれども?」

石田「はい。本当に多かったですね、NGが。(笑)……すみません、本当にあの、観る前に言うのもなんなんですけども、私は大変でした、はい。でも本当に幸せな3ヶ月……3ヶ月かけて録ったんですけど…」

福澤「3ヶ月かかったんですか! アフレコに」

石田「はい」

福澤「は〜成る程、御苦労様でございました。スタジオジブリ作品に於いては『平成狸合戦ぽんぽこ』に次いで、2度目ということになりますよね」

石田「はい、そうですね、はい」

福澤「御苦労様でございました、ありがとうございました。では続いて、松田さん、同じ質問になってしまうんですが、宮崎監督と共に過ごした約3ヶ月、如何な物でございましたか?」

松田「13年ぶりに『ナウシカ』以来、仕事をさせて頂いたんですけども、あの頃の事は殆ど、なんか良く覚えてないというか、訳判らないまま…その素晴らしさも判んないままなんか終わってしまった事ばっかりですが、今回はそれをひしひしと感じながら、その分、あの時よりも何倍も何十倍も苦労して、一杯ご指導頂いて、いい仕事が出来たと思います。(宮崎監督を見て)大丈夫ですか?」
【場内(笑)】

松田「昨日倒れたんですから。……お疲れなんです」

福澤「うわー。それはパチンコのやりすぎとは違いますよね?」
【場内(笑)】

松田「トータルでは勝っているらしいですけど」
【場内(笑)】

福澤「ああ、そうですか(笑) はい。ありがとうございます。それでは監督、監督には違う質問をぶつけたいと思うんですが、今回のこの映画をですね、創るにあたってのきっかけ、動機をお伺いしたいんですが」

宮崎「いやあの……きっかけ……実は2年前にジブリで作りました『耳をすませば』という作品と、この『もののけ姫』は、同じ根っこから生えた対の物だという風に、私としては思っております。これはあの…映画の雰囲気とか、伝える物はこう…直接、あるいは全然反対の様な雰囲気を持っていますけれども、実は、私達にとっては1つの表と裏と言いますか、片方は健やかに明るく出発して行こうという映画ですが、それと同時に、その待ち構えている世界に何があるかという事も、この映画で…この映画を創る事によって、『耳をすませば』(注:こっちはもののけ姫のいい間違いか?)という作品の根っこが出来たんだと、そう思っています。えー、いやどういう風に受け取って頂けるかというのは本当に不安の頂点なんですけれども、兎に角…あの…直球を全力投球で投げました。ゆっくり御鑑賞ください」

福澤「そしてですね、この映画、一部では、小学生ぐらいにはちょっと難しいんじゃないかなぁ…なんて話も聞くんですが、監督ご自身はこの件に関してはどの様にお考えですか?」

宮崎「むしろ、色々こう…映画を見慣れている大人の方の方が難しいんじゃないかな、と。あの、僕は……作っている最中はそれを考えなかったんですけど、つまり、誰に向かって創るのかという事が定かでなかったんですが、出来上がってから、お子さん達に見て貰いたいって本当に思う様になりました。理解ではなくて、こう…感じで貰えるんではないかな、という風に……今は思う様になっております」

福澤「……はい、ありがとうございました。さ、かくしてですね、いよいよ『もののけ姫』の上映を始めさせて頂きたいと存じます。作画枚数はですね、正式には14万4000枚ということになりました。今日から260館、全国超拡大ロードショー、始まりでございます。上映時間は2時間と13分の大作でございます。どうぞみなさん、心行くまでご覧頂きたいと思います。改めてお3方に大きな拍手をお願いします」
【大拍手】

福澤「ではこの辺で舞台挨拶を終了させて頂きたいと思います。尚、上映中のですね、喫煙、そしてビデオ撮影、写真撮影、或は、放屁放尿脱糞といった類は全て禁止されておりますので、心行くまでお楽しみ頂きたいと思います。ちょっとね、開始時間が遅くなってしまいました。申し訳ございませんでした。また終了されましてですもね、今日雨降っておりますんでね、足元に気をつけてお帰り頂きたいと思います。それではまた何時か何処かでお会いしましょう。さようなら」
【拍手】


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